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andante*

■センセイ■

あ な た を 忘 れ て し ま う ほ ど の 恋 が 胸 を 焦 が す ま で

こ の 道 は 誰 と も 歩 け な い



あたしの初恋oそれは「センセイ」

大好きだった人 初めて愛した人 大切な人 そして今でもたまに考えてしまう人

はじまりは入学式 あたしは「先生」ってオトナが大っ嫌いだったo

だから最初はあなたのことなんてホント、受け入れてなかった ほんとょo

いつからだったかな あたしが涙を見せることが多くなったよね 

あなたはちょっと困った顔して何も言わずに

ただただあたしの頭をなでてくれた その大きな手で 何度も何度も


心 を 受 け 取 る と 書 い て 「 愛 」 っ て 読 む ん だ よ


今でも覚えているよ?

お正月、初詣に行った帰りだったよね バイバイの時先生はそっと言った

「これね あげる いちぉ俺のお守りだから」

そう言って、あたしの首にネックレスをかけてくれた

「ありがとぅ」あたしがそう口に出す前に、あなたはそっとあたしを抱き締めた

「ばいばい」

あのときのバイバイがうまく言えなかったのは、あなたの顔を見るのが恥ずかしかった

センセイ?知ってた?あたし男の人に抱き締められたの、あなたが初めてだったんだ


ず っ と フ タ リ で 生 き て い こ う   幸 せ に な れ る よ う に


その3日後 あたしたちは車の中でキスをした

唇にそっと触れただけのキスだったけど あたしの心臓が壊れそうなくらぃドキドキするには十分すぎたよ

「ハルは生徒で俺は先生だから 好きだとか 言えないよ」

そうあなたは何度も言った

言わせたのはあたし

でもね 今思えばそんなことどうでもよかったんだ 

あの頃のあたしは幼くて 幼すぎて   でも今ならわかる 

あなたがあたしをどれだけ愛してくれていたのか

言葉になんてしなくても あの頃のあたしたちには確かに 繋がっていた


ず っ と 一 緒 と 誓 っ た 日 の  

あ の 想 い は う そ じ ゃ な い よ ね




あたしの「ハジメテ」はすべてあなたとだった

後悔はしていないよ だって あたしはハジメテがあなたで 

本当に 心から ありがとうと 言えるから

「よくがんばりました」そう言って優しく頭をなでてくれた

あたしは世界で一番幸せかもしれない そう想ったんだょ

だって、こんなおっきなあなたの手に守られてるのはあたしなんだもん

ありがとうという言葉を口に出すとき なんだかコッチまで嬉しい気持ちになる

ありがとうはもらっても あげても嬉しいものなんだね


あ な た が 隣 に い る 

た だ そ れ だ け で 強 く な れ る あ た し が い た



修学旅行 文化祭 クラスマッチ

気づけばあなたの笑顔があった毎日

授業中、泣いていたあたしの涙をそっとふいてくれたときもあったよね

フタリで授業をサボって、一緒にいたこともあった

同じ教室の中で 授業中 給食中 掃除中 

ふと見れば、あなたの笑顔 それだけで安心できた

修学旅行のバスの中そっとつないだ手 

夜桜キレイだったょね フタリつないだ手 

誰かに見られるんじゃないかなんて 思ったけど それでも離せなかった手

夜、そっとあたしの部屋に来てくれた 暗闇の中そっとつないだ手

不思議だね あなたと手をつなぐだけで あたしは嬉しくなる 安心できる

あなたの大きな手はあたしにとって かけがえのない 大切な大切なタカラモノだったんだ


泣 い て 笑 っ て 悩 ん で 苦 し ん で 

そ ん な 感 情 の ひ と つ ひ と つ が 教 え て く れ る も の 

あ な た が 好 き
 


ケンカもしたね 口をきかない日も 何度もあったね

でもいつもあたしが負けてしまうんだ 

あなたの顔を見てたら なんかどうでもよくなってしまうんだもん

好きだった 愛おしかった 大切だった
 
好きすぎた

ずっと一緒と あなた以外は愛せないと そんな想いが心を満たしていたよ


負 け な い よ う に 輝 け る よ う に 走 り 続 け た い 明 日 へ


行けば必ずあなたに会える場所 学校

あたしに元気を 勇気を 愛をくれる場所 学校

何よりも 誰よりも大切な人がいる場所 学校

卒業式

旅立つあたし 見送るあなた

ねぇ?センセイ 

あたしは卒業するのすごく悲しくて悲しくて 

でもね?

これで「センセイ」と「生徒」は終わり

これからは一人の人間としてあなたと歩いてゆける 

そんな希望もちょっぴりあったりして 

それでも流れる涙は止めることはできなかった

やっぱりあなたと出会った場所だから あなたと過ごした場所だから


こ こ に い る の は あ な た の こ と が 好 き だ か ら 

あ な た の そ ば で 生 き て い た い と 思 っ た か ら



遠距離になったけど その分一緒にいる時間がすごく楽しかったんだ

あなたと行った遊園地 いったいいくつあるんだろう

コウコウセイになって一人暮らしをはじめたあたしは 

ハジメテあなたと一日中一緒に居たり

ハジメテ花火をしたり

ハジメテ遠くまで遊びに行ったり


時間を気にせず まわりを気にせず あなたを想えた

あなたの胸の中で眠る夜 幸せを感じながら眠る瞬間 

あなたを好きになってよかったと あなたと出会えてよかったと あなたの彼女でよかったと

そしてそんな夢のような毎日の中で あなたのくれる幸せが「あたりまえ」になってしまっていた


す れ 違 い の 日 々 の 中 で あ た し が あ な た に あ げ た も の は  

不 安 と 悲 し み と ち っ ち ゃ な ウ ソ



高校二年生の春 あなたは学校を変わった

住む場所は近くなって お互い一人暮らしになって

それまでのどんなときよりも お互いが近くに居た

でもね?

変わりゆく日々が 環境が 想いが 

いつの間にかあたしたちフタリを離してしまったね

お互いがお互いを想うがゆえのウソが重なった

そのウソはいつしか あたしたちの間に戻れない距離を作ったね


教 え て く だ さ い 神 様 あ の 人 は 何 を 見 て る?

何 を 考 え 誰 を 愛 し 誰 の た め に 傷 つ く の ?



「ねぇ?ドコに行くの?」

「どうして携帯にロックかかってるの?」

「ねぇ?この子だぁれ??」

ねぇ?どうして?疑問符だからけの恋は亡骸・・・

見てしまったんだもん

女の子と楽しそうに 抱き合ってとってるプリクラ

落ちてたよ

女の子からのちっちゃな手紙

言ってたよ

「めぐみ」って

あたしだって苦しかった でも頑張って言ったんだ「別れようか」

「なんで??」そうあなたは聞き返した

「俺の気持ちはまだあの頃のままと一緒だよ」

ずるいよね 「好き」だなんていわずに「あの頃と一緒」だなんて

あの頃のあたしたちの間には確かに愛があったよね

でも、もぅ今のあたしたちにはないんじゃない

でね、見ちゃったんだ 携帯

「好きだよ」

「結婚しようね」

そう あなたがそういう言葉を口に出す相手はもうあたしじゃないんだね

メールの送信先は めぐみちゃん

ちなみに携帯のロック解除パスワードは0315 めぐみちゃんの誕生日

センセイ?今は個人情報が犯罪に使われる時代です

生徒の住所や電話番号、誕生日などの管理は厳重にネ


「 さ よ な ら 」 と 言 え た あ た し へ

「 よ く 頑 張 り ま し た 」



ねぇ?センセイ?あなたが言わないからあたしが言うよo

「もういいよ」

「離してあげるo」

謝らないで?みじめになるから

泣かないで?あたしだっって我慢してるんだから

ひきとめないで?もう限界だよ

「ばいばい」

もうあたしたちの 明日 はないけど

「ありがとう」

全部の ハジメテ ありがとう


最後に センセイ?

あたしたちの間にはいくつもウソがあったけど 

信じてくれなくてもいいけれど

でも 聞いてください あたしの素直な気持ち


あ の 日 あ な た に 出 会 っ た こ と そ れ が 間 違 い だ と 言 う の な ら

あ た し は 間 違 っ て い て か ま わ な い




ばいばい 愛しい人

ばいばい センセイ

2003年 6月 21日 あ た し は あ な た を 卒 業 し ま す o


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